手奇塾のブログ

大人も知らない各社歴史・公民教科書の違いをわかりやすく徹底比較します。

自由社VS学び舎 6.日清戦争(2)

 

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 学び舎は、まるで日本が朝鮮と清国を侵略したと言っているようです。

自由社は、188Pと189Pで福沢諭吉の『学問のすすめ』と『脱亜論』を紹介しています。

 諭吉が甲申事変(こうしんじへん)後、『脱亜論』を発表し「わが国は、もはやこのような朝鮮や清と連携して西洋の進出に対抗することはできない。これからは、西洋諸国のやりかたに従って、付き合うしかない」と主張したことを記述しています。この甲申事変とは明治17年(1887年)に日本にならって朝鮮の近代化を進めようとした金玉均らのクーデターのことですが、清の軍隊が鎮圧してしまいます。諭吉は、金らの近代化政策に期待していました。その後も朝鮮、清の覚醒(かくせい)を期待していました。

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 またも日本は朝鮮半島における清との勢力争いに負けてしまいます。

それ以来日本も軍備を拡張し、清と対等な軍事力を持つようになります。

 東学党の乱を契機に日清両国は日清戦争を戦いをしますが、今回は、訓練・規律の行き届いた日本軍が、陸戦でも海戦でも圧勝します。

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 日本国は、戦争をすると決めたときはその理由を書いた開戦の詔勅を世界に向けて発します。

この時の詔勅を見てみます。

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 それを読むと清が、独立国であるはずの朝鮮を属国扱いし、内政に干渉していたことがわかります。これは日本の安全にとって良いはずがありません。今でも朝鮮半島の平和は日本の平和でもあるからです。

 福沢諭吉のいう「西洋の進出」とは、いうまでもなくかれらの植民地支配です。自由社は191Pで列強による清国分割の地図を載せています。学び舎も載せていますが、東京書籍同様にアメリカのフィリピン領有を載せていません。

 自由社の地図中の黄色のアメリカ領フィリピンを載せています。米西戦争でこれを奪った強欲な人たちは、フィリピンだけで満足したのでしょうか?

 この時日本は、アメリカとは互いに「友好関係」でした。江戸幕府日米和親条約を結んでいました。

 日清両国の兵力はそれぞれどれくらいあったのでしょうか?

続く