手奇塾のブログ

大人も知らない各社歴史・公民教科書の違いをわかりやすく徹底比較します。

「桜の憂国日記」【佐久間艇長】道徳・歴史のガラパゴス


「最門司さくらの憂国日記」【佐久間艇長】道徳・歴史のガラパゴス  戦前の修身の12の文章と文科省の道徳の学習指導要領、5学年、6学年を対比してみました。

 日教組の先生がたが、道徳教育にいろいろな理由をつけて反対してきたこともこれでよくわかります。日本を壊して、自分たちにとって理想的な社会を作りたいのでしょう。しかし、少数のそのような先生方に教育を任せるわけにはいきません。

戦前のすべてを、暗黒の時代、軍部が独走して侵略戦争をしたといって、切り捨てるやり方が、かえって日本の教育を、ガラパゴス化させ、大人になってから恥をかくことを、学校の先生や教育行政は、まだお気づきになっていないようです。気づいているのはその商社マンや海外に駐在している会社員とその家族でしょう。日本の教育現場では、世界を見ない、独特の閉鎖環境で、多文化共生といい、陰で日本文化や伝統を否定しているようです。特に道徳と歴史教育が、独自の進化ではなく、退化してしまっているのではないでしょうか。

  今回は、「13歳からの道徳教科書」という本に書かれている、佐久間艇長についてのお話しです。日本には、商社という種類の会社があります。大手の商社を総合商社とも言います。そこで働く商社マンとは、ラーメンからミサイルまで取り扱う、総合商社の営業マンです。海千山千の、生き馬の目を抜くと形容され、彼らの通ったあとは、ぺんぺん草も生えないと、言われたことがあります。
 砂糖の代わりの甘味料の原料は、甘い草とかいて甘草といいます。これは荒れ果てた、砂漠地帯に生えている草で、誰も見向きもしませんでした。商社はこれで、砂糖の代わりの甘味料を作り、日本人は、カロリーゼロということでコーヒー、紅茶に入れて飲んでいます。砂糖の50倍以上の甘みがあるそうです。
 こんなやり手の商社マンは、世界中に進出しているわけですが、イギリスで、あるビジネスマンと食事をすることになりました。このビジネスマンは、ロイヤルネイビー出身者でした。つまり元、女王陛下の海軍士官です。かれは日本から来た、商社マンということで「佐久間艇長」の話を始めました。ところがさすがの商社マンでも、佐久間艇長、佐久間大尉、1910年、潜水艇が、何のことかわからなかったそうです。その後この商談が成功したかどうかわかりませんが、この日本人のやり手の商社マンが、相手から見て失望に値する人物であったことは間違いないでしょう。この「佐久間艇長」の遺書のコピーが、イギリスでは、王室海軍潜水資料館で、アメリカでは、国会議事堂の大広間のガラス戸棚に展示されているそうです。このロヤル・ネイビー出身の紳士にとって、「佐久間艇長」は海軍士官学校で教えられ、そこで感動した話ですから、艇長と同じ日本人の意見を訊いてみたかったのでしょう。

【戦後教育の一つの欠陥】

大学出の海千山千の商社マンでも「佐久間艇長」の遺書の話を知りませんでした。そしてイギリスで、大恥をかいてしまったのです。これは戦後教育の一つの欠陥の現れではないでしょうか。

道徳や歴史教育に限っていえば、もはや日本の教育は、ガラパゴスになって世界から置いてきぼりにされたのではないでしょうか。いまではもう世界に通用しない、日本だけの教育ではないでしょうか。戦前の教科書には、この話が載っていて、小学生はみな知っていたそうです。

ところでなぜ、戦前の小学校の道徳教科書には載っていて、今の教科書には、のっていないのでしょうか。理由は簡単です。大東亜戦争の敗戦後一時期、修身、国史、地理の教育が禁止されてから、戦前の教育はすべて悪い、軍国主義だという、教育界に独善的な判断が今でもあるからです。それでもようやく、平成30年から、小学校で道徳が正式教科として実施されるようになりました。そもそも道徳とはいったい何でしょうか。

渡辺昇一先生は、「13歳からの道徳教科書」で道徳を次のように述べておられます。

ギリシャ、ローマもありますが、そこには、古代アテネギリシャ人やローマ帝国のローマ人はもはやいないのです。古代ギリシャ・ローマはもはや続いていないのです。一方今も残るゲルマン民族などは非常に家系を重んじたというのです。現存するヨーロッパで有名な家には祖先からの系図が残っています。では、日本はどうかというとやはり神話の時代からの系図を重要視してきました。このように家をおもんじるという精神が指導者階級にあったから、日本は今まで続いてきたのではないでしょうか。そのためにいろいろな道徳がうまれ、これらが日本の道徳の起源になったのだと思います。このように道徳とは、ある民族が、未来までずっと続き、繁栄していくためにつくられた、みんなが納得できる決まりであると言えましょう。」

 

修身や道徳の理念が廃止されたり、全く別の理念に変えられたりすると民族や国家は永続しなくなるのではないでしょうか。ここで戦前の修身の12の文章と文科省の道徳の学習指導要領、5学年、6学年を対比してみました。修身の文章は、全部で僅か400文字くらいです。

修身、1.親に孝行をつくしましょう 文科省、父母,祖父母を敬愛し,家族の幸せを求めて,進んで役に立つことをする。

修身2.兄弟姉妹は仲良くしましょう 文科省、だれに対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にする。

修身3.夫婦はいつも仲むつまじくしましょう 上と同じで、文科省だれに対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にする。
修身4.ともだちはお互いに信じあってつきあいましょう、文科省、互いに信頼し,学び合って友情を深め,男女仲よく協力し助け合う。

修身5.自分の言動をつつしみましょう、 文科省、謙虚な心をもち,広い心で自分と異なる意見や立場を大切にする。

修身6.広くすべての人に愛の手をさしのべましょう 文科省、だれに対しても思いやりの心をもち,相手の立場に立って親切にする。
 修身7.勉学に励み、職業を身につけましょう、文科省、働くことの意義を理解し,社会に奉仕する喜びを知って公共のために役に立つことをする。

修身8.知識を養い才能をのばしましょう、 文科省、真理を大切にし,進んで新しいものを求め,工夫して生活をよりよくする。

修身9.人格の向上につとめましょう 文科省、自分の特徴を知って,悪い所を改めよい所を積極的に伸ばす。
修身10.ひろく世の人々や社会のためになる仕事にはげみましょう、文科省、働くことの意義を理解し,社会に奉仕する喜びを知って公共のために役に立つことをする。

修身11.法律や規則を守り社会の秩序にしたがいましょう、文科省、公徳心をもって法やきまりを守り,自他の権利を大切にし進んで義務を果たす。

修身12.正しい勇気をもってくにのため真心をつくしましょう、文科省、身近な集団に進んで参加し,自分の役割を自覚し,協力して主体的に責任を果たす。

 

みなさん、修身と文科省、道徳の学習指導要領とどちらがわかりやすいですか。どちらが簡潔明瞭で、覚えやすく、すぐれているかすぐにわかりますね。

 それではもう一度佐久間艇長の遺書に戻ります。

実はちょうど同じころイギリス海軍でも同じような潜水艇の事故が起き、乗員が我先に入口に殺到して折り重なった状態で引き上げられました。日本でも同じことが起きているだろうと皆思っていました。ところが第六潜水艇の場合は、違いました。13名全員が、それぞれ、も持ち場についた状態で絶命していました。さらに官長の佐久間大尉31歳は、手帳に39ページにわたり鉛筆で遺書を残していました。読みます「小官の不注意により、陛下の艇を沈め、部下を殺す、まことに申し訳なし、されど艇員一同、死に至るまで皆よろしくその職を守り、沈着に事を処セリ、我らは国家のため、職にたおれしと言えども、ただただ遺憾とするところは、天下の士はこれを誤りもって、将来潜水艦の発展に打撃をあたうるに至らざるやを憂うるにあり。省略します、謹んで陛下に申す、我が部下の遺族をして、窮するもの無からしめ賜らんことを、我が念頭にかかるものこれあるのみ、・・・省略します。12時30分呼吸非常に苦しい、ガソリンをブローアウトせしし、つもりなれども、ガソリンにようた、ひとつ、中野大佐、12時40分なり、筆は、ここで途絶えています。この話は、外国人特派員から海外に伝わり世界の多くの人々が感動しました。

東京書籍によく戦争反対の象徴のように取り上げられる、歌人与謝野明子も、この事故に心を動かされた一人です。勇ましき 佐久間大尉とその部下は 海国の子に たがわずて死ぬ」とうたいました。また、夏目漱石も感動した一人だったのです。

今の道徳教科書で、皆さまのお子様に、感動することがあるかどうか、聞いてみてはいかがでしょうか。そしてご父兄、保護者の皆様もぜひ道徳や歴史の教科書に目を通してみてください。この動画をご覧になって、もし何かお感じいただければ、副読本として「13歳からの道徳教科書」や自由社の中学歴史教科書を、お子様に学ばせてはいかがでしょうか。私たちは小学生高学年から使っています。